存在の詩
TANTRA:The Supreme Understanding

定価(本体1900円+税) 
■四六判並製/632頁 ■ISBN4-8397-0001-X ■1977.4

チベットタントラ仏教不滅の名篇『マハムドラーの詩』を題材に、現代インドの巨星OSHOが宇宙との全面的なオーガズムを奔放自在に謳いあげた究極の詩。川とともに漂い、川とともにくつろぎ、やがてあなたは光たゆたう存在の大洋へと還る……。


ためしよみ(第二話より抜粋)

ひとつひとつの独立した問題を解決しようなどとしないこと
そんなものはありはしない
心そのものが問題なのだ
しかし、心は地下に隠されている
私がそれを<根>と呼ぶのはそのためだ
それは目に見えない
あなたがある問題に出くわすというときには
その問題は必ず地上にあるものだ
それは目に見える
だからあなたはそれに騙されてしまうのだ
いつも心しておきなさい
可視なるものは決して根ではない
根はつねに不可視であり続ける
根はつねに隠されている

決して目に見えるものと戦わないこと
さもなければ、あなたは影法師と戦っていることになるだろう
それでは、あなたが自分自身をすりへらすことはあっても
あなたの人生にはこれっぽっちの変化も起こり得ない
同じ問題が何度も、何度も持ち上がることだろう

(中略)

人々は私のところへやって来て尋ねる
「どうやって平和な心を達成するのですか?」
私は彼らにこう言う
「そんな平和な心なんていうものはありはしないのだよ
そんなもの聞いたことがない」
心は決して平和にはならない
<無心>は平和そのものだ
が、心自体は決して平和でも静かでもあり得ない
心はまさにその本性からして緊張と混乱なのだ
心は決してクリアーではあり得ない
それは冴えを持つことなんかできない
なぜなら、心はその本性からして混乱であり曇りであるからだ
冴えは心なしには可能だ
平和は心なしには可能だ
静寂は心なしには可能だ
であるからして
決して静かな心など達成しようとしないこと
さもなければ一番の最初から
あなたは不可能な次元に向かっていることになる
ことのはじめは、まず心の本性を理解すること
それからはじめて何かがなされ得る



ためしよみ(第三話より抜粋)

あなたが闇について瞑想するならば明らかになる第一のことは
闇というものは存在しないということだ
闇はどんな存在も持たずにそこにある
それは光よりももっと神秘的だ
それはまったく実在を持たない
むしろ反対に
それはただ光の不在であるにすぎない
闇などというものはどこにもない
それを見つけ出してくることはできない
それはただの不在なのだ
それはそれ自体実在を持っていないのだ
それはただ光が臨在していないということにすぎない
もしそこに光があれば
そこに闇はない
もしそこに光がなければ
そこには闇がある

光の不在
それは何かあるものの臨在とは違う
光が点滅するのはそのためだ
闇は踏みとどまる
それはない
が、それは居すわる

(中略)

知っておいたほうがいい
あなたはいままでに
たくさんのありもしないものと戦い続けてきているのだ
それらはちょうど闇みたいなものだ
道徳なんぞというものは、まるで闇との戦いだ
それが馬鹿らしいのはそのせいだ
道徳なるものは丸ごとそっくり
無条件に闇との戦い
それ自体そこにありもしないものとの戦いなのだ

憎しみというのは実体のあるものじゃない
それはただ愛の不在であるにすぎない
怒りというのは実体のあるものじゃない
それはただ慈悲の不在であるにすぎない
無知というのは実体のあるものじゃない
それはただブッダフッド、つまり悟りの不在であるにすぎない
セックスというのは実体のあるものじゃない
それはただブラーフマチャリヤ(※)の不在であるにすぎない

※brahmacharya……文字どおりの意味は神の態度、つまり性を超越した存在のあり方を言うが、転じてふつうには禁欲を指す。



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